水耕栽培に必要な計測・制御
水耕栽培管理要素
■ 養光
植物は光とCO2での光合成、酸素も取り入れ必要な栄養を体内で作ります。
人間の生活に必要な光の波長と異なり主に赤色、青色の光を必要とします。
このため植物育成に適した波長を発光し消費電力が少ないLEDが各社から提供されてきています。
また育成植物の種類により種蒔きから発芽、成長時期により養光の照射時間を調整する必要があります。
■ CO2(二酸化炭素)、温湿度
太古の昔は数千ppmあったと推測されていますが
現在の自然界では最低400ppm程度のCO2濃度しか無い状態です。
しかし植物が良く育つCO2値は1,000ppm程度とされています。
気孔の開閉は、湿度により変わり乾燥状態になると閉じ、程度な湿度環境で開きます。
CO2投与する場合は、栽培空間の気密度が重要になるため栽培装置を密閉する必要があります。
CO2は拡散性が高く外気中には400ppm程度しかないため気密が悪いと、
外気へ拡散しCO2は無駄に減るだけで無く地球温暖化を加速させてしまいます。
温湿度の調整も重要な要因です。
■ 養液
植物育成の為には窒素、リン、カリ等の養分が必要ですが
水耕栽培用の無機肥料を投与した養液を植物が根から吸収します。
水耕栽培は土のような培地がないため植物に必要な成長成分を投与する必要があります。
※土には有機物があり、それを微生物が分解することで、成長成分となります。
成長成分をダイレクトに根に吸収させるのが水耕栽培なので生育が早くなります。
肥料濃度はEC(電気伝導率)値によって知る事が出来ます。
自然蒸発によっても水位が低下するので水位を監視し、少なくなると水を補給する必要も出ます。
肥料量と養液の吸収量は必ずしも一律しません。
例えば乾燥気味で蒸発量が多ければ、養液の減少は早まり水が補給されない場合、
EC(電気伝導)値としては逆に高くなってしまいます。
育成植物により適切な肥料濃度は異なるため育成植物により肥料濃度の変更が出来、自動で濃度調整をします。
肥料を養液に均等に混ぜる、酸素を根に供給させる目的から養液を循環し、
適度に排水、給水をする必要もあります。
■ 植物の種類による環境設定
収穫したい植物により上記の項目の値は異なるため、何を収穫したいか?の目的により設定変更が出来る事が必要です。
市場は品種だけでなく、大きさ、形、色、食味、食感、糖度、香りなど求められる要素が多くあります。
設定を変える事が出来る事で、利用者の求める野菜を栽培できるシステムとしてAIによる自動調整も開発中です。
利用者が求める野菜を収穫出来た場合、”IoT植物育成装置”に保存された”環境制御プロセス”を選択し栽培を開始する事で同じ品質の野菜を再現し収穫する事も可能です。
ご提供の育成装置より各種データーをクラウドサーバに収集し収集しAIによる分析結果を提供させて頂くサービスを準備中です。
上記が概ね収穫したい植物を水耕栽培で育成する条件となりますが、
これらの調整を多忙なレストラン、洋菓子工場、各家庭で人手により育成環境を調整する必要がある水耕栽培装置を提供しても大きな需要は見込め無いため植物工場向けに開発提供してきた技術を活用し安価な装置を提供し、
利用者は種まきと収穫のみ程度の実施で自動育成が行える装置を提供し
多くの水耕栽培装置を普及させたく推進しています。